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なぜか惹かれてしまう神社がある

神社って、有名だから行く場所と、なぜか呼ばれている気がして行く場所と、
2種類あるように思うんです。
比々多神社は、私にとって完全に後者でした。
神奈川県伊勢原市。決して交通の便がいいとは言えない場所にあるのに、地図で見つけた瞬間から
「ここは行かなきゃ」という気持ちが離れなくて。皆さんにも、理由はうまく説明できないけれど、
なぜか心が引っ張られる場所ってありませんか?
そんな直感を頼りに向かった先で、想像以上のものに出会ってきました。
今日はその参拝記をお届けします。
比々多神社ってどんな神社?
比々多神社は、神奈川県伊勢原市三ノ宮に鎮座する神社です。旧相模国の「三之宮」にあたり、
毎年5月に大磯町で行われる伝統行事「国府祭(こうのまち)」に参加する
相模五社のひとつでもあります。
ご祭神
豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)、天明玉命(あめのあかるたまのみこと)、
稚日女尊(わかひるめのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)。
相殿には大酒解神(おおさかとけのかみ)、小酒解神(こさかとけのかみ)が祀られています。
主祭神の豊斟渟尊は、国づくりに関わる神さまとされていて、この土地に人々が根を下ろし、
暮らしを築いていく力を見守ってきた存在なのだそうです。天明玉命は玉づくりの神さまで、
比々多神社周辺からは実際に多くの勾玉が出土しているとのこと。そうした由来から、
地元では「玉の宮」とも呼ばれてきたようです。
社伝によれば、創建は神武天皇6年と伝わっていて、大山(おおやま)を神体山として祀ったのが
始まりだといわれています。ただ、正確な年代までは分かりませんでした。
伝承では紀元前655年とされていますが、はっきりしているのは、
この土地には一万年以上前から人が祈りを捧げてきた痕跡が残っている、ということです。

ご利益
ご利益としては、家内安全、五穀豊穣、商売繁盛、開運招福、厄除け、縁結び、安産などが
伝えられています。国づくりの神さまを祀ることから、新しく何かを始めたい人にとって
心強い神社だと言われているようです。
一万年分の時間が積み重なった境内


境内に足を踏み入れた瞬間から、なんというか、空気の密度が違うような気がしました。
比々多神社の周辺には、下谷戸ストーンサークルをはじめとする古墳が点在しています。
境内にある郷土資料館には、須恵器の瓶「うずらみか」、関東最古とも伝えられる
木彫りの狛犬一対、日の丸の紋が残る布目古瓦など、貴重な文化財が並んでいて。
気づいたら、かなりの時間そこで過ごしていました。
本殿の裏に回ると、古代の祭祀の場だったとされる「環状列石」が残されています。
これは近くの下谷戸縄文遺跡から、東名高速道路の拡張工事の際に発掘されて、
比々多神社の境内に移されたものだそうです。
「移設」と聞くと、少しさみしい気持ちにもなります。
でも、もともと比々多神社の境内はとても広く、下谷戸縄文遺跡があった場所も同じ
「三ノ宮」という地名に含まれていたのだとか。
この一帯全体が、縄文時代からずっと祈りの土地だったと考えると、
なんだか腑に落ちるものがありました。
畑の中の急な坂を登った先に

境内を参拝したあと、私にはどうしても行きたい場所がありました。
それが「元宮」です。
本殿裏の環状列石から、およそ400メートル。畑の中を抜けて、急な坂道を登っていきます。
人の気配もほとんどなくて、正直「え、本当にここ?」と不安になるくらい静かな道でした。
でも、登りきった瞬間、その心細さが一気に吹き飛びました。
目の前に相模湾が広がっていたんです。遠くには江の島まで見えて。
太古の昔はもう少し海が近かったはずだから、当時はきっと海の上からもこの場所が
見えていたんだろうな、なんて想像してしまいました。
比々多神社は、もともとこの元宮の地に鎮座していたのだそうです。
ただ、戦国時代の戦火によって現在の場所へ遷され、今では畑の中に小さな石の祠が
残るだけになっています。
華やかさは何もありません。それでも、この場に立つと不思議と心が静まっていくのを感じました。
元宮の背後にそびえるのは、比々多神社のご神体でもある霊山・大山です。大山は「龍脈」が
通る山とも言われていて、この場所にはその力がまっすぐに流れ込んでくるような、
そんな感覚がありました。
近くには古墳も点在していて、歩いて回ることができます。
一番近い埒免古墳は恵泉女学園の敷地内にあるため、柵越しの見学になり石室までは見られませんが、積まれた石を覗き込むことはできました。
「元宮」に立って気づいたこと

カウンセラーとして日々いろんな方のお話を伺っていると、
「本当の自分」という言葉によく出会います。
でも、本当の自分って、実は一つじゃないんですよね。交流分析という心理学の考え方では、
人の中には「親のような自分」「大人としての自分」「子どものような自分」など、
いくつもの自分が同居しているとされています。どれが本物というわけではなくて、全部が自分。
比々多神社の本殿と元宮の関係も、なんだか似ている気がしました。
今の立派な社殿は、いわば整えられた「大人の自分」。
一方で元宮は、飾らない、始まりのままの「素の自分」のような場所。
どちらが正しいということではなくて、両方があってこそ、その人らしさ、
その土地らしさが成り立っているんだと思います。忙しない毎日の中で、
自分の「元宮」の部分を忘れかけていないか。そんなことを、静かな祠の前でふと考えました。
アクセス・周辺情報
住所:神奈川県伊勢原市三ノ宮1472
電車・バスでの行き方
小田急線「伊勢原駅」北口1番乗り場から、神奈中バス「栗原行」に乗車し
「比々多神社」バス停で下車、徒歩すぐです。本数が少ないため、
事前に時刻表を確認しておくことをおすすめします。
車の場合
専用駐車場があります。
周辺の見どころ
すぐ近くには「いせはら塔の山緑地公園」や「伊勢原みかん狩り園」があり、
参拝と合わせて立ち寄れます。また、少し足を延ばせば霊山・大山や大山阿夫利神社もあるので、
1日かけて伊勢原の歴史散策を楽しむのもおすすめです。
おわりに
華やかな社殿だけでなく、畑の中にひっそり残る元宮まで歩いてみると、
この土地が積み重ねてきた長い時間を、肌で感じられるような気がしました。
一万年という数字は、正直、想像すらできません。でも、その気の遠くなるような時間の先に、
今の自分が立っているんだと思うと、不思議と背筋が伸びる思いがしました。
伊勢原まで少し足を延ばして、あなたも自分だけの「元宮」を探しに行ってみませんか。
心理学を教えている著者が、“心の声”をテーマにした深い内容を
noteの有料シリーズとして連載しています。
ブログでは書けない心の仕組みを、丁寧に解説しています。
なぜ、同じ出来事なのに、あの人とこんなに感じ方が違うんだろう?|ライフリメイクタナカ


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